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映画『恋妻家宮本』 結婚を迷っているカップルは必見!

2017年8月8日山田イトウ
ベンチに座る老夫婦
今年2017年1月に劇場公開された『恋妻家宮本』が8月9日に遂にBlu-ray&DVDでリリースされます!

最近は熟年離婚や不倫といったテーマのドラマ・映画が増える中、それを逆手にとって夫婦の幸せを改めて感じさせる作品になっています。
主演には阿部寛と天海祐希、監督は大ヒットTVシリーズ「家政婦のミタ」の脚本家・遊川和彦が現代の熟年夫婦を鋭く描いています。

映画館で見逃したという人も、肩のこらない作品に仕上がってるので(しかし奥は深い)是非、この機会にご覧ください。
『恋妻家宮本』の公式サイトはこちら

物語は・・・

大学4年生の時、できちゃった婚したカップルの宮本陽平と美代子、28歳の息子が結婚をして家を出ていくことになる。
50歳になったこの夫婦は、これからの2人だけの人生をどう生きていこうか迷っている
そんな時に阿部寛演じる主人公・宮本陽平が、妻・美代子の離婚届を発見してしまう。

優柔不断な陽平は、何をするのも美代子の判断に委ねてきて、肝心なところで自分では何も決断できないと思って、50歳になってしまった情けない夫。
離婚届を見て、陽平は美代子がてっきり外に男を作って浮気をしているのでは?と疑い始める。

陽平は中学教師で最近の趣味はもっぱら料理、子育ての終わった妻・美代子から逃げるように料理教室に没頭する。
そこでは、夫の悪口を言う美人の毒舌主婦・五十嵐真珠(菅野美穂)や料理そっちのけで恋人のノロケ話している花嫁修業中のOL・門倉すみれ(相武紗季)に、離婚届を巡って愚痴を言う。

いったい妻・美代子が用意した離婚届の意味は・・・
熟年離婚を焦った中年男の主人公のドタバタぶりをコメディータッチで描いた楽しい作品。
カップルから新婚ホヤホヤの夫婦までオススメの作品

あなたってさぁ〜結婚に向いてないよね!

妻・美代子が主人公の夫・陽平にいう一言。

私・山田イトウも結婚して既に銀婚式(結婚25周年記念)も通過、子育てもほぼ終わった宮本家と同じような境遇にいる。
そして自分でも思ってるのは「自分って結婚に向いていない」、今更ナンだけど(笑)
別に私の結婚生活が破綻している訳でもないし、妻も娘も意外なことに「幸せ」と言ってくれている。

夫婦で何でも言い合える、隠し事が一切ない、そんな夫婦っていったいどれくらい存在するんだろう〜って自分なんかは思ってしまう。
別に悪いことはしてないけど話していないことも多い。
「夫婦って空気のような存在」という言葉もあるけど、それは別に隠し事はしていないけど、特に全てを話しているわけでもない、ということではないんだろうか?
それが気が付かないうちに、夫婦のすれ違いを生んでいくんだろうなぁ〜って、この映画でも描かれているし、自分でも実感してあるある感が半端ない。
この作品の中でも、様々な夫婦のすれ違いが描かれて、少しずつのことがいつの間にか「離婚」問題に発展していく。

子育て終了という喪失感

結婚式の次の一大イベントは子育て!
夫婦は子育てという大イベントの前に一致協力して人生を二十数年間歩んで行く、夫が子育てを手伝わないといった話もあるけど、家族のために仕事を頑張るというのも子育ての重要に一部分。

子育ての間は、夫婦の間に常に子供が存在する感じ。
そう、何をするにも子供が中心となっていく、子育てが終わってしまうとポッカリ空いてしまった子供がいた空間を埋める方法が判らなくなるのが夫婦。
それまで少しずつスレ違って来たものが、このポッカリ空いた穴を埋めることができない原因となる。
子供が生まれる前、結婚前のお付き合いの頃や新婚ホヤホヤの頃の感覚は既に過去のもの(汗)

子はかすがいとよく言いますが、子供が巣立ってしまうと二十数年ぶりにカップルに戻る夫婦、「不満はないけど、不安なの」の一言。
そう子供がいなくなった夫婦はお互いのことが本当に必要なのか?急に不安になる。
そのあたりの心情が、この作品は本当によく描かれている。

それでも夫婦って!

花嫁修業中のすみれ(相武紗季)が、離婚危機の陽平や夫の不満しか言わない美人妻・真珠の話を聞いて、結婚を断念する。
それまでは、恋人のノロケ話ばかりで結婚に憧れている感が有ったのに・・・
結婚の現実って、他人に気を使うだけの大変なこと?実は隠し事を彼氏がしていた?そんな人と結婚できない!みたいな。

この作品は、妻の離婚届から始まったエピソードが、すみれの結婚取りやめ!というところまでエスカレートして「結婚生活なんて・・・」と思わせる。
それが後半は一転して・・・

すれ違ってきた夫婦だけど、決して相手のことを嫌いになった訳ではなく、お互いに愛していることを確認していなかった。
それがラストで、妻・美代子が陽平と結婚を決断した理由をぶっちゃけることで判ってくる。

長い夫婦生活を重ねてきて、途中に色々なことが有っても、好きな人と人生を重ねることもイイことだよね!って言える良さを感じることがラストでできる。
言葉にしてこなかっただけで、夫婦で積み上げてきた愛情が感じられる作品。

ラストを見ると本当に結婚ってイイよね!と思わせてくれる恐ろしい作品(笑)
だから同棲はしているけど、なかなか結婚の決断ができないカップルは、二人で一緒にこの作品を見ると良いかも〜
優柔不断な彼でもプロポーズしてくれるかも・・・と言うかしないといけない状況に!

映画のウンチク

阿部寛はもう名優と言っても良いくらいのキャリア、そして妻・美代子を演じる天海祐希は宝塚出身女優の中ではもっとも成功している一人だと思う。
二人とも1960年代生まれと、この作品の夫婦に近い年齢、そして阿部寛が189センチ、天海祐希が172センチと大型カップル。

監督はテレビ出身の遊川和彦。
「女王の教室」や「家政婦のミタ」の他、数多くのテレビ・ドラマの脚本を手がけて来た人。
重松清原作の「ファミレス」を自ら脚本化して監督をしている。

阿部寛は二枚目からコメディータッチの三枚目まで演じることができる俳優だが、是枝裕和監督の『海よりもまだ深く』や今作品では50代男性の悲哀を感じさせる役柄を見事に演じている。
天海祐希はしっかりものの妻役という彼女らしい役どころではあるが、どこか枯れた感(薄っすら白髪が目立ち始めていたり)が出ていて、浮気しそうな美人妻とのギャップが良かった。
本来なら主演級の菅野美穂や相武紗季が脇をしっかり固めているのも良かった。

演出はテレビ出身の遊川和彦監督だけに、ちょっと説明過多なテレビ的な部分が多いが、ラストの吉田拓郎の「今日までそして明日から」の合唱は良かった
この良さが判るのは、やっぱり人生を重ねてきたオジサンだからかな。
今の若い人には、20年後に聞いた時に思い出す歌があると思うけど。

映画ライター山田イトウの記事はこちら

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