ジャーナリスト志望の上昇志向の強い女の子が、ひょんなことから一流ファッション誌で働くことになり、上司の有名女編集長に振り回されながら成長していく姿をユーモラスに描くコメディー。
ローレン・ワイズバーガーの同名原作を映画化、主演の鬼編集長役には名女優メリル・ストリープ、振り回されながらも女性として一回り大きく成長するアシスタント役に、今やラブコメの女王アン・ハサウェイ。
アン・ハサウェイの同僚役には、今やハリウッドで主役・ヒロインもこなすようになったエミリー・ブラント（当時はかなりポッチャリ）。ファッション界を舞台に、メリル・ストリープもアン・ハサウェイも、エミリー・ブラントも華やかなブランドファッションに包まれながら、過酷な編集部で女の戦いを繰り広げる。
彼女たちが着るファッションも見もの！
女性が仕事をがんばるということ
アン・ハサウェイ演じるアンドレア（アンディ）は、ジャーナリスト志望でファッション誌なんかはエンターテイメントの二流媒体と思っていた。
それがファッション誌でアシスタントとして働くことになるが、その上司が業界で最も有名でワガママな女編集長ミランダ（メリル・ストリープ）だった。
アンディ（アン・ハサウェイ）は女性が社会で認められるには、チャラチャラした男に媚びるような格好をしてはいけないと思い込み、ストイックに自分の知識を増やし仕事の経験を積んで、ビジネスウーマンとして認められることが最重要と考えていた。
ファッション誌を見るようなチャラチャラした女性たちには興味がなく、むしろ下に見ていた。
普段からファッションにも、ましてやブランドを気にしたこともなく、ラフな服装で過ごしている日々、そして素敵な彼氏に恵まれて満足していた。
そんな頭でっかちな彼女の考え方をぶち壊したのは、同じ女の上司ミランダだった。
アンディを小間使いのように扱うミランダは、ファッション・センスにしても仕事ぶりにしても超一流、アンディはいつしか彼女の仕事をぶりを認めるしかなかった。
ファッション界といっても、女が簡単に生きていける世界ではない、男以上に強く見せることも必要、その中で誰にもどんなことにも妥協をしないミランダの仕事ぶりに、いつしかアンディは自分の甘さを痛感することになる。
仕事もファッションも！
最初はイヤイヤだった仕事を前向きにしっかりやることに気づいたアンディは、ファッションもビシっと決めることに。
でも彼女にはファッションセンスは０。
自分が一生懸命になって、そしてなりたい自分を周りに発信していると助けてくれる人も現れて・・・ゲイのスタイリストが彼女をモデル張りのファッションで包み込んでくれる。
変身した彼女の前には、彼氏以外の男も現れて仕事のチャンスも訪れて、恋に仕事に忙しくなる。
ダッサイ、アン・ハサウェイの変身ぶりはこの映画の見どころ、やっぱり女性は美しくなくちゃ！ちょっとやり過ぎだけど、内面と外見の美しさはお互いに高め合うもの！
女性が認める女性は？
アンディはミランダに振り回されていく中で仕事に没頭、彼氏ネイトとの私生活もメチャクチャに。
でも彼女が頑張って、成功をするとそれは上司にも認められて、映画を見ている観客の私たちは、いつの間にかアンディ＝アン・ハサウェイに魅了されている。
彼女は仕事もできて、ファッショナブルで、一生懸命に人のために突き進むことができる女性に成長していた。
女性であるミランダには敵も多く、ファッション界のトップに君臨するという孤独や苦労を、アンディは気づくことによって、ファッション誌の仕事＝自分の仕事にプライドを持てるようになっていた。
彼氏も、いつしか変化した彼女に心配もしながらも、信頼をして心から愛し始めていた。
それまでは自分の境遇を不幸に思ってばかりで、前に進まなかった彼女が今は自分の意志で仕事をこなし自信を持った姿に、彼氏は惚れ直していた。
上司のミランダも、いつの間にか共に働く女性の仲間として認めるようになっていた。
同性の上司や同僚にも認められるようになると自然と異性にも認められるようになる。
男の本音
自分の愛する女性がダサダサなかっこうをしていても許せるもの、それも間違いではないけど、やっぱり輝いていて欲しいと思うのも男の心情。
仕事や仕事以外でも自分のやりたいことに突き進み、努力して葛藤をして、そんな姿の彼女に惚れ直すのが男の心理。
ファッションを磨くことは、男の目を引くためでもあるけど、自分の内面を表現する手段でもあるはず。
この作品が、男性だけではなく、女性からも支持されるのはそのあたりかも。
彼氏と仕事、どっちをとるか？で悩んでる時は、思い切って好きな仕事をとってみるのは後悔のない人生かも。
やっぱり自分が輝くことが恋愛の一番の近道かも。
映画として
2006年ハリウッド製作のこの作品、
女性のサクセス・ストーリーとして人気、女性が独りでも見ても自分に元気をくれる作品、そして彼氏として見たら今の自分を応援してくれるかも。
主演のアン・ハサウェイは2001年の『プリティ・プリンセス』で主役を射止め一躍ハリウッド・スターに。
2005年の『ブロークバック・マウンテン』では演技力を認められるものの、人気が伸び悩んでいた時に出演したのが今作品。
この作品をキッカケに再び、ハリウッドのトップ・スターに返り咲いた彼女は、アカデミー賞も授賞して今も活躍中。
タレ目の大きな瞳が魅力的。
彼女を徹底的にいじめるミランダは、アメリカ版「ヴォーグ」の編集長アナ・ウィンターがモデル。
演じたメリル・ストリープはアカデミー賞を何度も授賞する名女優。
この作品を演じる最初に、メリル・ストリープはアン・ハサウェイに「一緒に共演できることは素敵」と褒める言葉をかける。
その後の作品の中では、徹底的に彼女をいじめ抜くことなるから、大女優らしい気づかいの言葉だった。
